本記事の画像は、筆者の撮影
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正規空母「雲龍」
「雲龍」は、旧日本海軍の雲龍型航空母艦の1番艦。
艦名の表記としては、「雲竜」も使用されていたようだ。
また、艦名の候補には「蛟龍」もあったと遠藤昭は語る。
飛龍の改良型として設計された量産型で、飛龍で不評だった左舷中央部配置の艦橋を、蒼龍と同様に右舷前部へ配置変更するなどの改良が施されている。
竣工時より対潜水艦迷彩を施されていたのも特徴だろう。
様々な改良の成果は、戦況の悪化により発揮されることが無かった悲運の艦艇でもある。
雲龍に搭載予定だった艦載機は、瑞鶴とともに大半は喪失してしまっていた。
そう、空母である最大の理由は失われてしまったのだ。
そして、雲龍に搭載されたのは、あの悪名高き有人特攻兵器「桜花」だった・・・。
その最後―――
1944年12月17日朝、雲龍は「緊急重要物資」輸送のため、フィリピンはマニラへ向かい呉を出港した。
「緊急重要物資」とは、―――特攻兵器『桜花』である。
30機の有人特攻兵器を抱え、時雨、檜、樅の護衛をうけて一路マニラへ。
対潜哨戒を受け、関門海峡を通過して東シナ海へ出た。
12月18日、この時点で米潜水艦と思われる電波を探知。
艦隊は警戒しつつ航行を続けた。
不穏な空気に包まれる中、艦隊内の雰囲気を表すかのように、天候も次第に悪くなっていった。
そして、運命の12月19日―――
台風で視界が歪む程の悪天候の中、雲龍は潜水艦の電波を感知し続けていた。
時雨、樅、檜は警戒を強めていったが、その警戒網を搔い潜った米潜水艦「レッドフィッシュ」は、雲龍に狙いを定めるのだった。
16時35分、雲龍は魚雷発射音を探知。
その数は、4。
雲龍は、右へ舵を切り魚雷を回避していく。
1本。
2本。
3本まで回避。
16時37分、右舷中央部(艦橋下部)に魚雷1本が命中。
命中した魚雷によって第一缶室、第二缶室に浸水がはじまる。
それでも戦う事を諦めていない雲龍は、潜望鏡らしきものを観測すると、高角砲と機銃で応戦を開始する。
直後、電源が停止、射撃不能に陥ってしまう。
火災が機関室で発生し、前部予備電源も停止した。
後部予備電源で、非常用ディーゼル消化ポンプを可動させて火災を鎮火させる。
だが、安心はできなかった。速度が上がらなくなり、ついには停止してしまった。
護衛駆逐艦隊も応戦しているのだが、互いの攻撃は命中することはなく・・・。
16時45分、2本目の魚雷が雲龍の右舷前部(艦橋のやや後方)に命中。
これが下部格納庫に搭載されていた「桜花」20機の誘爆を招いてしまう。
退艦命令が下った。
16時57分、雲龍は完全に水没―――ついに1機の艦載機を飛ばすこともなく沈むこととなるのだった。
竣工日から、わずか135日。
大海に還った魂に敬礼―――
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